日本の水道インフラは、近年の地震や災害を通じて、その脆弱性が浮き彫りになっています。
老朽化が進む水道管や進まない耐震化、人口減少に伴う水道収入の減少といった問題が重なり、今後の水道インフラの維持には多くの課題が山積しています。
本記事では、現在の日本の水道インフラの現状と、未来に向けた取り組みについて探ります。
1. 日本の水道インフラの現状
日本の水道インフラは、災害に対する脆弱性と老朽化の進行が深刻な問題となっている。
能登半島地震をはじめ、近年の地震で水道管の破損や断水が相次ぎ、各地で水道インフラの弱さが露呈している。
多くの水道管は経年劣化が進んでおり、法定耐用年数を超えた管路の割合は2021年度時点で22.1%に達している。
さらに、耐震化の進捗も遅れており、2022年度末時点で全国平均42.3%という低い普及率にとどまっている。
2. 水道料金の値上げが避けられない現実
水道設備の老朽化と人口減少により、水道料金の大幅な値上げが避けられないと予測されている。
2024年の研究によると、2046年度までに全体の96%にあたる1199の事業体が料金値上げを迫られる可能性がある。
特に過疎地域や水資源に乏しい地域では、給水コストが高くなるため、料金の自治体間格差は現在の8倍から20年後には20.4倍にまで拡大する可能性がある。
3. 未来の水インフラに向けた選択肢
これからの水インフラは、従来の「大規模集中型」から「小規模分散型」へのシフトが求められている。
「小規模分散型」は、災害時の影響が限定的で、復旧も比較的早く、様々な技術を組み合わせることでコストを抑えられる可能性がある。
具体的な例として、WOTA株式会社の水循環型シャワー「WOTA BOX」やヤマハ発動機株式会社の小型浄水装置「YCW」があり、これらは災害時のみならず日常的な給水にも活用できるシステムである。
4. 日常生活と災害時に備えるための水インフラ
日本は水資源に恵まれていると思われがちだが、実際には限られた水資源を有効活用する必要がある。
水道インフラを意識的に支え、地域ごとに最適な手段を選ぶことが、料金の値上がりを抑制し、持続可能なインフラを構築する鍵となる。
これからの時代、私たちは水のインフラについて深く考え、行動することが求められている。
まとめ
日本の水道インフラは、災害に対する脆弱性と老朽化が進む一方で、人口減少による経済的な制約もあり、維持と改善が困難な状況にあります。
しかし、新しい技術やシステムを取り入れることで、地域ごとの最適な水インフラを選択し、コストを抑えながら安全で持続可能な水供給を実現する道が見えてきています。
今後は、私たち一人ひとりが水のインフラを意識し、積極的に選択し支えることが求められます。
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